白石隆吉先生(大和成和病院不整脈科部長) 2009年10月25日講演会(大和市保健福祉センター)

不整脈の種類と治療法について
  皆さん、こんにちは、白石です。今、ご紹介いただきましたが、この7月から大和成和病院のほうに来ました。不整脈科ということですが、大きなくくりとしては循環器内科です。風船治療といって、風船で狭心症や心筋梗塞を治す病気もあります。私どもがやっているのは不整脈の治療です。不整脈が何かということはこの後ずっとお話ししますが、電気的な心臓というのはポンプとして動きます。皆さまは心臓の手術をして、結局そのポンプの構造的なものは恐らく治していると思います。それがそのまま一生ハッピーで行けるかというと、やはり中には不整脈で命を落としてしまう方もいるわけです。
 代表的には高円宮さま。宮さまは手術されていませんでしたが、スカッシュをやっているときに心臓が突然けいれんしてしまった。最近ではお笑いの松村邦洋さんです。マラソンで走っていて突然崩れ落ちるようになってしまった。あれもすべて不整脈です。そういった不整脈によって、せっかく手術して、せっかく構造的には治っているものが電気的なもので駄目になってしまうというトラブルを補修していく工事というか、電気的な治療が私どもの治療です。

心臓手術をしても電気的なものでトラブルが起きることがあります


 7月に赴任してきたばかりで、まず最初に自己紹介から始めて、その後に不整脈の話をさせていただきます。今は神奈川にいますが、私の出身は四国の愛媛の西条というところです。背中に石槌山という西日本で一番高い山を控えています。目の前は瀬戸内海の、ひうち灘という非常に温和なところで育ったんです。大学はそのまま愛媛大学を出て、医者になってから九州の福岡に行きました。福岡は人口が500万ぐらいのところで、ちょうど神奈川県の半分ぐらいだと思います。その福岡県の南にある久留米市というところに行きました。
 有名な企業でいうとブリヂストンがあります。おもしろい土地柄で結構有名人が出るところです。芸能人ではチェッカーズが出たり、松田聖子が出たり。私はチェッカーズのお母さんの主治医でした。古くは、東芝のもとをつくった田中久重(からくり儀右衛門)が生まれたところです。最近ではホリエモンですかね。彼は久留米の近くです。あと美人でいえば黒木瞳もこのあたりです。まあ、全然関係ないことをお話ししてますけど……(笑)。
 久留米には一級河川の大きな筑後川が流れています。そして南側に町中があり、その町の中心地に病院があります。一つ離れたところにも病院があって、私は天神会新古賀病院に14年ほど勤めていました。筑後川を挟んで、北側にもう1個の病院があって、私がいた新古賀病院はここにあったんです。近くには久留米大学病院とか、聖マリア病院という西日本で一番大きな個人病院で1300床も持っている巨大な病院に囲まれた中で私どもは治療をしていました。

医局をやめると医者としてやっていけない?

 実を言うと九州でほんとに私は治療をずっとやり尽くした感があり、もうワンステップ何か次のことをやりたいなと考えていたときに、ちょうど南淵先生に出会うことができました。私が九州の新古賀病院に行ったときには、既に早々に愛媛大学の医局を辞めたんです。辞める一つのきっかけになったのは、ほんとに奇しくも南淵先生の1ページのエッセーだったんです。当時、南淵先生が書いていたのが「医局はマフィアか」という題名でした。医局を辞めると医者としてやっていけると思うなよという脅しですね……。
 私も実は大学を辞めるときに学長に呼ばれて「君は大学を辞めたいらしいが、この後どうするつもりだ」と言われて、九州の個人病院は心臓を結構やっていたところですから、「個人病院でやりたいと思います」と答えると、「この世界でそんなことで生きていけると思うな」と言われ、まさに脅迫を受けたわけです。それから10数年たちましたが、今の世界を見ていただくとほんとに医局も崩壊して、そういったことではなくなってきました。南淵先生はそれに先駆けて10数年前に流れを読み取っていたわけです。今の大和成和病院をそこまで大きくしていただいてますので、僕にとってもほんとにやりやすい環境で仕事をさせてもらっています。
 大和成和病院です。こちらですよね。皆さん、見ていると思いますが…(笑)。僕も最初来たときに、正直、建物はどこですかと探しました(笑)。老健のほうに出て、建物はここかなという感じで中に入っていきました。一番最初は5月に見学に来たんです。南淵先生に案内していただきました。中に入って思ったのは確かに濃いですよね。濃い医療というか、非常に密度の高い医療がここでなされているということがほんとにわかりました。

不整脈の治療は1176例を経験しました

 私自身の経験の手術数です。この後にお話しするペースメーカーとか、あと植え込み型除細動器、突然死を予防するような機械です。そういった機械の手術は1176例の患者さんにさせていただいています。1000例を超えて手術をやっている人間というのは、日本でこの世界ではそんなに多くはないです。神奈川でも恐らく3名か4名ぐらいじゃないかなと思います。それぐらいの数をやらせてもらっています。
 あとカテーテルアブレーションは皆さんは新聞とかで見たことがあると思います。心臓の中を焼くような治療があります。不整脈の発生源を焼いてしまうという非常に大胆な治療方法ですが、私は500例を超えて手術をさせていただいています。こういった経験はあるので何か皆さまのお役に立てることがあるんじゃないかなと思います。
 先ほども南淵先生のほうからお話がありましたが、大和成和病院はバイパス手術で日本一ということです。風船治療は内科的な治療で、狭心症を解除するような風船ステント治療は、実を言うと前任の久留米の病院では大和成和病院より数倍多かったんです。しかしバイパスの数というか、開心術の数は5分の1ぐらいです。
 この世界で一番問題になるのは、実は内科と外科の連携です。内科は内科でやってしまう。前の病院がそうだったんです。僕たちが、これちょっと手に負えなくなったなと思って外科の先生に相談する。そうすると外科の先生は、いやこれは状態が悪いからねといろんな理由をつけて手術をしてくれないのです。非常に困って、そういった方は内科的にどんどん心臓の機能が衰えてくるのを僕たちは見ていくしかありません。最終的にほんとにかわいそうな結果になってしまうことになるんです。
 私はこの病院に来てまだ3カ月ですが、ほんとに驚くのはそのレスポンスです。内科医として非常に助かるのは、「僕たちにはほんと手に負えないな。南淵先生、どうにかしてくれませんか」「倉田先生、どうにかしてくれませんか」とぽっと投げかけたときに非常に早く、「じゃあ、3日後に手術だけど、検査は間に合うかな」と言われるぐらい、ぱっと手術をしてもらえる。このレスポンスが非常にバイパスの数が多いという理由です。それだけ数をやっているだけで周りから信頼を得ているというのは、こういった垣根の低さというのがあるんじゃないか、非常に状態が悪い患者さんでもぱっと手術をやってもらえるというのは実にありがたいと感じています。
 これはこの間のパーティーのときです。携帯電話で撮ったのですが、オペラ歌手のような人がいます。南淵先生ですね。よく私どもは、ほんとにお世話になっていると感じております。

心臓は電気仕掛けのポンプ  正常な脈は60〜100

 ここから本題に入ります。不整脈というのは何ですか、ということになるんです。逆に言うと正常な脈は何ですか、と皆さんは聞いたときにわかりますか。脈というのは1分間に何回打つのが正常ですかと聞いたときに、皆さんは実は答えられないんです。心臓は解剖学的には四つの部屋から成りたっています。心臓の部屋を動かすための刺激はどこから出ているかというと「洞結節」と書いています。この心臓の右上のところに特殊な細胞があって、ここから出た刺激が心臓を伝わっていくんです。それで初めて心臓が興奮します。ですから心臓というのは電気仕掛けのポンプだよという話を僕はさせてもらうのです。
 それに関するパーツとしてこういった電気的なものもあるんです。この刺激は大体1分間に60回から100回出ます。ですから正常な脈というのは60回から100回。赤ちゃんが生まれたときが一番心拍数が速く110とかあります。それでも異常じゃない。60というのは下限かというと、実はさにあらず。生まれたときは110ぐらいあっても、だんだん年をとってくると遅くなります。皆さんの中にも脈を測って、「私は55しかないわ」「私は50しかないわ」と言う方がいると思うんです。でも50でも、別にふらついたりとか、目まいとかいった症状がなければ、下限は50ぐらいから上であればオーケーだよということになります。今日帰って家で脈をとっていただいて、50から100ぐらいの間であれば、自分の脈は正常に打っているんじゃないかと考えていただいていいと思います。
 極論すると正常でない脈が不整脈ということになるので、心拍数が先ほど提示した上限値である100を超えるようなものは頻脈と言います。脈が速いということです。今度は脈が50より下回ってしまう。例えば45であったり、40であったりといったことを徐脈と言い、脈が遅いということになります。
 そのほかに不整脈としては脈が飛んだりすることもあります。脈を測ってみて、一定のリズムで打ってない状態もあります。脈をとっていたら、ドックン、ドックン、ドクとたまに飛んだりすることがあるという方がいるんです。そういったときはほとんどがこの期外収縮と言われるもの、もしくは心房細動と言われるものです。心房細動というのは絶対不整脈と言われています。脈の間隔が完全にばらばらに打ってしまっています。ずっと規則正しく打っているんだけれども、たまに脈が飛んでしまうというのが期外収縮になります。
 実際の心電図を見てみると、1発だけ速いのが入ってきています。これが心臓の上の部屋から出る期外収縮です。それが連続で、ドク、ドク、ドク、ドクと出ることもあります。それが終われば、また普通のとおりに打ってしまう。今度は心電図で見ると幅が広くなってきます。これも同じ期外収縮ですが、今度は心臓の下から出てますよということで心室性の期外収縮ということになります。脈をとる癖をつけてたほうがいいと思うんです。親指のつけ根です。皆さんにこうやって脈をとってくださいと言うと、ここをみんなは親指で押さえちゃうんです。人差し指とかで優しくタッチしてあげてください。押さえ過ぎると脈は振れません。しかも血液を止めちゃいますから優しく軽く触れてください。そうするとご自分の脈が、ドクン、ドクンと打っているのが大体わかると思うんです。
 1分間にどれだけ打ったかというのが心拍数ということになるので、気の短い人は10秒間だけ測って6倍してもらえば結構です。もう少し待てるよという方は15秒間測って4倍、気の長い方はまるまる1分間測ってもらってもいいですけれども(笑)。そうやって測って自分の脈拍がどれぐらいかを知っておく。脈と脈の間隔が一定リズムでちゃんと打ってますよと。そうじゃなくて、私のはちょっと脈がばらばらで打ってます。私のは大体基本的に規則正しく打っているんだけど、たまに飛ぶことがありますよと。これは情報として自分が持っておくといいと思います。
 そうすることで診察に行ったときに、私はいつも70ぐらいなんだけれど、今日の朝測ったら40しかないのよ、というようなこと。これは非常に貴重な情報です。皆さんの中には血圧の手帳でちゃんと血圧をつけている方が多いと思います。その中に血圧計で測った心拍数も書いている方がいますが、脈が飛んだり、脈がばらばらに打つような方には機械式血圧計は非常に苦手です。心拍数として血圧のほかに脈拍数が出ます。それは規則正しく打ってる場合にはちゃんと計測されるのですが、脈がちょっと乱れたりすると正確には表示されません。そういったところだけ気をつけていただければと思います。
 脈が期外収縮で飛んだ場合は手でとっていたときにどうなるか。ドックン、ドックン、ドクン、ドクンとあるわけじゃなくて脈がちょっと弱くなるんです。これが連続で出たりするとどうなるかというと、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ツ・ツ・ツーとなるので、私、心臓が止まっちゃったわと感じることがあるんです。「私、時々心臓が止まるんです」と来る方がいます。24時間の心電図を撮ると大体こういったものが出てることがあります。これも実を言いますと、心電図を撮らないとわかりませんが、同じ形で連続で出てるものは死にはしませんが、先ほどの心臓の下から出るやつ、心室性のもので連続で出るやつというのは、さっきの松村さんや宮さまのように突然死を起こす原因になってしまいます。脈の飛ぶ回数があまり多いようだと、主治医の先生に24時間の心電図を撮ってもらって確かめてみることが必要です。

不整脈の誘因  カフェインは心臓に対して刺激性がある

 今のこの脈が飛びますよという期外収縮は、誘因としては加齢とか、皆さまのように手術をして心臓の機能が落ちてしまっている場合もあります。誘因というか、増悪因子としてはストレスであったり、たばこを吸うことであったりとか。アルコールは少量だったらいいんですが、大量に飲むと翌日の朝、おしっこに行ったときに少し変なにおいがします。あれが実はアルデヒドという物質です。アルデヒドは心臓に対して非常に害になるので不整脈の誘発される原因になります。
 僕らがいつも不整脈の外来で診てて、よく私は「不整脈の薬をもらっても全然効きはしないのよ」と言われます。その中で「ごめんね。じゃあコーヒーとか飲んでないの」と聞くと、「1日5杯ぐらい飲んでますよ」と平気で言う方がいます。「何が悪いの、コーヒー飲んで」と逆に言われてしまいます。コーヒーの中にはカフェインが入っています。このカフェインがくせ者で、非常に心臓に対して刺激性があります。ですからアメリカやヨーロッパへ旅行を何回もされた方はわかっていると思いますが、向こうへ行くとちゃんとポットにコーヒーが入ってます。安いところですけどね。カフェインありか、デカフェ(カフェインなし)か、とちゃんと分けています。
 最近は日本でもやっと少し分けているところが出てきましたが、ファミリーレストランへ行って「デカフェで飲みますか」なんて聞かれたことは多分ないと思います。カフェインありか、なしかというのは注意しなければいけない一つです。じゃあ、そのカフェインは何に一番含まれているでしょうか。「カフェ・イン」というぐらいですから、圧倒的にコーヒーに一番含まれています。
 量的には大体コーヒー3に対して紅茶が2、緑茶が1。ただ、緑茶は濃いお茶を飲むと紅茶と同じぐらいの量になってしまいます。「どうしてもお茶が飲みたいわ、緑茶じゃないと駄目なの」という方は、ほんとは一番おいしいところの1番目は捨てて、2番目から飲んでくださいと言っています。(笑)これはお茶屋さんに教えてもらったんですけどね。カフェインが1回目にほとんど出ちゃうらしいです。2番目以降は、大体7割、8割はもうなくなっていると言っていました。
 あとカフェインが含まれてないものというのは、ほうじ茶であったり、麦茶であったりとか。でもよくよく考えたら、カフェインが入っているものはおいしいんですよね。そういったところでコーヒーを我慢することで、中にはコーヒーをやめたらぴたりと不整脈が出なくなりました、脈の飛ぶことも全くなくなりましたと言ってくれる方も外来ではいます。
 これ、3対2対1というのがほんとかどうか、インターネットで調べて抜き出してきました。コーヒーも豆から抽出したものだったら、235cc中にカフェインは95ミリグラムです。やっぱりこれを考えると多いですね。紅茶は対して47ミリグラムです。緑茶はその濃さによって変わってくるので、30から50ミリグラムです。これを考えると3対2対1というのは、あながち、うそじゃないのかなと思います。インスタントコーヒーでも結構入っていますので、こういったことを参考にしていただければと思います。

ワーファリン治療とペースメーカー植え込み術

 脈がばらばらになるというか、脈が飛ぶ中で一番ホットな話題が心房細動だと思います。心房細動について基線という、一番軸になる線がぶれています。ずっとぶれてて脈と脈の間隔がばらばらです。ですからどーんと飛んだり、短く打ったりということになります。これが心房細動といわれる状態です。これはどういうものかというと、心臓の上の部屋の心房が収縮するんじゃなくて、けいれんしてしまっている状態です。ですから本来は心臓の上の部屋にたまった血液を心臓の下の部屋に押し出す。心臓の下の部屋にたまった血液が今度は全身もしくは肺のほうに押し出すというのがポンプです。この心臓の上の部屋の収縮がなくなってけいれんしてますので、血液が中でよどんでしまいます。よどんだら、この中に実は心臓の盲腸みたいな「心耳」というものがあって、そこの中に血の塊をつくってそれがこぼれ落ちて飛んでしまうと頭に詰まって、長嶋監督が脳梗塞になってしまったということです。そういう原因になる不整脈です。
 これを防ぐ唯一の薬がワーファリンです。高血小板剤のアスピリンでもある程度効果はあると言われていますが、今、日本で使える薬はワーファリンだけです。特に関東は納豆が好きな方が多いので、納豆などビタミンKの多い食品を取るとワーファリンの効果は減ずるといわれております。「先生、ほかにお薬はないんですか」と言われるんですが、実はいつ認可されるかわかりませんが、つい先月発表された、ワーファリン以外の薬で同等もしくはそれ以上の効果があるという脳梗塞予防の薬が世界40カ国ぐらいで販売されていますが、日本にはまだ入ってきていません。もう少し待っていただければワーファリンの代わりをしてくれる薬が出てくると思います。抗不整脈薬という不整脈を抑えるような薬を飲んでいただいたり、先ほどの誘因を除去することで心房細動を予防することもできます。
 今度は脈の遅いほうです。ここから私どもが皆さまに提供できるような治療の話をします。これはペースメーカーです。市民講座のときにお話しさせていただくときはまとめて言わせていただきますが、決して「ヘルスメーター」というものじゃありません(笑)。これだけはほんとにわかってください。何回言っても、「私のヘルスメーターが」と言われるんです。そこを踏んでもいいですか(笑)という話をするんですけれども、「ペースメーカー」でございます。
 これなんかはそうです。この人は目まいとふらつきで来たんです。心拍数が30ぐらいしかない。突然、朝からふらついてきた。心拍数、脈があんまり打ってないみたいだということで病院に来られました。これは完全房室ブロックという病気です。心臓の上の部屋と心房と心室がばらばらになっています。こういった完全房室ブロックの患者さんはペースメーカーの移植しかないんです。今のところ全く治す薬はありません。
 これがペースメーカー本体です。ペースメーカーというのは本体にリード線が2本入っています。この線が心臓の中に入っていきます。心臓の下の部屋と上の部屋とに留置されて、それをペースメーカー本体に取りつけます。傷口はちょうど左。私どもはほとんど左に入れていますので、左の胸のところにこれが入るぐらいですから、5〜6センチの傷で済むということです。こんな小さいものです。これは昔、おなかに入れていたころの機械です。それがだんだん小さくなってきて、今のように胸に入れるようになりました。これが模式図です。これは右に入れています。右に入れても左に入れてもいいんです。ペースメーカーを手術する側として入れやすいのは左です。
 たまに解剖学的にこの血管がうまく心臓に返っていない人がいます。そういった方はしようがないから右から入れることになります。積極的に右じゃないと駄目という理由はないのですが、左が駄目な場合に右を選択させてもらっていると考えていただいていいと思います。

自信をもっていえる「心室中隔ペーシング」

 ただ、これも大学や病院で差があるので一概には言えませんが、日本の場合は9割ぐらいは左からということで入れさせてもらっています。これがそうです。リード線が心房に入って心室に入っている。ずっとこの血管の中を通してリード線が入ってきて、ペースメーカーが入ることになります。これが私どもがやっている「心室中隔ペーシング」といいます。さっきのレントゲンで見てみると、この心室リードは心臓の先端のほうにあったんです。先のほうに入れてたんですけれども、実はここじゃ駄目だよということで、いろんな不都合が起こるものですから、心室中隔ペーシングということで、こういったところに入れさせてもらっています。
 実はこの心室中隔ペーシングというのは、私はかなりやっております。これは冊子『右室中隔ペーシング』で、前の病院にいたときに書いたものです。これは恐らく世界で初めて中核ペーシングという言葉を出した冊子で、女子医大の先生であったり、ここら辺では横浜市立大学の助教授で僕は非常に仲がいいんです。こういった先生たちと一緒に中核ペーシングの工夫ということで、今やっと普及し始めましたが、こういったことを研究も込みで5、6年になりますか、ずっと治療させてもらっています。
 中核ペーシングに入れる一つのメリットは、ペーシングしたかどうかわからない。これを皆さんに見ていただいてもわからないかもしれませんが、ペースメーカーで打ってこんなに幅の狭い波形がなかなか得られないんです。先端のほうに入れておくよりも、今みたいな中核ペーシングにやったほうが絶対心機能にはいいということを僕は自信を持って言っています。ペースメーカーをどうせ入れるのであれば、いいところをねらって入れたいなということで、そういった場所を探して入れています。ペースメーカーというのは、全国で大体年間2000カ所ぐらいの病院で手術がなされています。

リード線の断線は腕が下手な証拠

 じゃあ、どこの病院で入れても一緒かというと、怖いのはこういうことが起こるんです。入れたリード線がここで断線しているんです。これ、実は10年前の僕らの循環器学会で、これを何と言っていたかというと、「リード線が悪い」と言っていた。リード線が耐久性がないからこんなことになるんだ、とある大学の先生が発表していました。私はそれに10数年前にかみついて、「いやいや、これは先生たちのやり方が悪いんだよ」と言いました。
 南淵先生も異端児かもしれませんけれど、当時から私も学会で発言するほうだったんです。じゃあ、僕が証明してやろうということで証明したんです。これを見ていただいたら、ここでちょっと曲がっているでしょ。そこが切れているんです。ということは、この曲がりは何かというのを証明してやろうということで見てみたんです。こういうふうに普通に血管だけを通してリード線が入れば問題ないですが、鎖骨と肋骨の間に硬い靭帯があります。そこの靭帯を通して、今みたいにリード線が入っちゃうと、ここで断線するんです。
 これが結局、ここからしか入らないような入れ方をしちゃうと切れちゃいますよということになるので、それを証明する。ここが切れてるでしょ、ここで切れかけてるんです。これも駄目になったやつで、10年ぐらい前にCTで表現したんです。今、ペースメーカーが入ってるところを3DCT(3次元CT)で見てみると、これは僕が入れたやつで問題なく血管にダイレクトにリード線が入っていますが、問題のあるリード線の留置の仕方はこういうやつです。先ほどの断線しかかったやつというのはどうやって入っているかというと、ペースメーカーリードが、血管がここら辺から入らなきゃいけないんですが、内側に骨と骨の間に挟まれたような形で入ってるでしょ。だから断線するのは当たり前です。骨と骨の靭帯の硬いところを貫いているわけです。
 このスライドを出して、日本の医者というのは恐ろしいものですから、僕を口封じにかかったんです。これを世間に言われたら、今までやったことが全部医療ミスになってしまうので。結局ここらの政治的な問題じゃないですけど、学会でもいろいろすったもんだがあったんです。内密にということじゃないですけれども何となく流れていったということで、一応いろんなところから僕も言われました。でもこれが真実です。
 だから手術のやり方が悪いとこういうふうに皆さんに不利益になっちゃうんです。不利益にならないような手術のやり方をやらなきゃいけない。先ほどのここで断線しかかったケースも、僕は入れ直すと全く全然違う走行になります。だから本来はこういったところから入らなきゃいけないのに、内側のほうから入ってしまっているというのが一つの問題点だということです。
 僕がずっと日本中というか、結構いろんなところで講演を年間何10回もさせてもらってるのは、ほとんどがこの手技と先ほどの中隔ペーシングという、心臓の刺激する場所はこういった場所がいいよという研究をずっとやっているものですから、それで話させてもらっているんです。
 これも断線してしまっているケースです。明らかにこれは曲がっているでしょう。今の説明を受けたら、だれが見てもこれは悪いというのはわかるわけです。最近の3DCTで見てみると画像はもっときれいになりましたから、ここの鎖骨が透けて見えます。鎖骨の下からこの青い血管静脈が出てくる。だから本来、この青い、このあたりでリード線が入ってないといけない。それがこのケースを見てみると、こんなところから入ってるんです。鎖骨の下を潜り込むような形で。だからこの下で断線してしまうというのは一目瞭然だということになります。
 

白石法  エコーガイド下静脈穿刺法

 これを防ぐ手術の方法が、このエコーガイド下静脈穿刺法です。今ちょうど、来年発売される教科書の原稿会議をやってて、僕の項目で名前が変わらなかったらそのまま白石法で載るはずです。エコーを用いて静脈をついてやれば全く問題なく、術中そうなんですけれども、エコーを用いて穿刺をやる。そうすることでエコーで見ると血管がこのように見えるんです。こうやって見えた血管を、あとは単純に。ビデオが出ると思います。残念ながら出ないですね。エコーで見ながら穿刺するということです。
 今、エコーを当てているでしょう。患者さんの頭がこっちです。足が向こうです。左の胸のところをエコーで見て、注射針で今から刺します。ずっと持っていくと、もうこれで終わっちゃうんです。これでもう入っているんです。非常に速い。今、10秒ぐらいしか、かかってないと思います。実を言うと、エコーを用いなければ盲目的にやっちゃうんです。盲目的にやって1時間やっても2時間やっても当たらない。あげくの果てに、あなたの血管は細いですと言われちゃうんです(笑)。
 結構そういう紹介があるんです。血管が細くて手術が途中で断念されましたと。僕の手術は40分か50分ぐらいで終わって患者さんの家族を呼ぶと、「先生、やっぱり駄目でしたか、途中であきらめましたか」と聞いてくる。「手術は全部終わりましたよ」とお話しするんです。そういうちゃんとしたことをやっていれば、こういうトラブルもなく手術ができますよということになります。今、大和成和病院では私どもはこういった手術方法でやらせてもらっています。
 もう一つはダーマボンドと言います。脂肪や筋肉は全部縫っちゃいます。皮膚表面だけ、今はこういった接着剤を使わせてもらっています。これは傷口です。これで実は手術した翌日からシャワーを浴びることはオーケーです。消毒する必要もありません。ただ、皆さまの傷は大きいですから、縦に大きい傷の人はさすがに無理ですけれども、ペースメーカーの5センチや6センチぐらいの傷であればこういった手術方法ができますので、今はペースメーカーを入れて安静にすることはありません。
 手術が終わってその日にトイレへも歩けますし、翌日からはシャワーも浴びられるということです。ただ、皆さん、結構怖がって入らないので、翌々日とか3日後ぐらいになっちゃいます。変な話ですが、極端に言えば手術してその日に帰ってもらっても大丈夫なような手術は一応しているつもりです。日帰りでも手術はできますし、1泊2日、2泊3日ぐらいで手術というのは今のペースメーカーであれば帰すことは可能です。

頻脈の治療  カテーテルアブレーション

 時間があんまりないので駆け足で行きます。今度は頻脈です。脈の速いほうに関してどうなのかということです。脈が速いのは心臓の上の部屋の心房が原因で脈が速くなるという、発作性上室性頻拍という病気であったりとか。あと心臓の下の部屋が原因で速い脈。これは心室頻拍、心室細動は命にかかわってしまいますよということを先ほどお話ししました。
 まず、命にかかわらないほうですが、やはりかなり自覚症状の強いもので、発作性上室性頻拍という病気です。心拍数が1分間に160、170で打っちゃうわけで、1秒間に2回以上、3回近く打つので心臓に血液をためる暇がないんです。「1」と数える間に3回は打ってます。これはお薬で治したりするんですが、生まれつき先天的に原因があります。皆さんの心臓の中の電気的な回路にショートするような回路があって、お見せしますが、そういったものがあります。
 それを治すには、余分な回路を持っているものですから、その余分な回路を焼き切るわけです。足のつけ根からカテーテルという細い管を入れて、心臓の筋肉を焼くといっても、じゅーっと焼くわけじゃなくて、60度ぐらいの熱で軽くちょっとやけどさせてやる。そうすることで発作が一生起こらなくなります。そういった非常に便利なカテーテルアブレーションという治療です。若かりしころの僕ですけど、やせてますよね(笑)。
 これが電極カテーテルといって、手元の操作でいろいろ曲がります。ですから心臓の中に持っていっていろいろ探してやるわけです。不整脈の発生場所は、例えば横浜球場の中に100円玉を投げこんで、その100円玉を探しにいくようなものだと思ってください。ただ、一番最初の検査で3塁方向に行ったよという方角はわかります。3塁方向に行った中でそこをずっと探してくるわけです。電極の先端が4ミリぐらいですから、そこをずっと動かして微妙な調整をしながら探してくるわけです。曲げてこの先端で焼くわけです。
 これが高周波発生装置といってカテーテルにつながるわけです。ちょうど温度37度と見えるわけです。インピーダンスが何オームであるとか、出力が今は何ワットでというのが出るわけです。足のつけ根からカテーテルを入れていきます。心臓の中に電極カテーテルを4本ぐらい入れるんです。電気の流れが心臓の中でどうなっているだろうかというのを見てやります。
 通常、多くの病院は首のほうからもカテーテルを入れなきゃいけないんです。首からも入れて足からも入れてということで、首も刺され、足も刺されてということです。全身シーツに覆われて、これをやると非常に狭いわ、暗いわということで、それで2時間、3時間やらなきゃいけないなんていうのは苦痛です。これは一般的なカテーテルの留置ですが、私どもがやっているのは全部足から入れるようにしたんです。
 実は6年前ぐらいにアメリカの会社と一緒に、僕がデザインしてつくったものです。こうすることで足からだけで済むということになります。こういったカテーテルを上半身にシーツがかからないということで、非常に患者さんのコンプライアンスというか、術中の苦痛がなくなったと思っています。
 先ほどの発作性上室性頻拍ですが、今みたいに電極の先端から電位を見てやるわけです。皆さんが見慣れている心電図というのは上です。下のは、心臓の中の興奮波を表しているわけです。僕たちはこういうのを見るのが大好きで、ここに異常があるよとわかるわけです。そこの異常は何かというと、余分な回路が入ってますと。よくWPW症候群というのを聞いたことがあると思います。こういった余分な回路があるから、通常は心臓の上の部屋と下の部屋は、電気的にこの房室結節を介し、ここでしか結ばれていないんです。ですが、余分な回路があるために不整脈が起こってしまうわけです。上から下におりた電位が副伝導路を通って下から上に上がってしまいます。そうすると、ここでくるくると回り始めてしまいます。回ってしまうから、急に脈がドッドッと速くなってしまうのです。
 ということは、先ほどの副伝導路といわれるものを焼き切ってしまえば、上に上がることがなくなりますから、そいつを焼き切るんです。黒いところが心臓の上の部屋の筋肉で、この黒いところが心臓の下の部屋の筋肉です。そこをよく見ると本当はこの真っ白の脂肪であったり、線維性の組織であったりするもので、ここが途絶されていますが、こういったWPW症候群の人は筋肉が1本入っちゃっています。これが結局、電気が上の部屋と下の部屋を結んでしまっているんです。ですからこの筋肉をカテーテルを近くに持っていって焼いてしまうわけです。そうすると不整脈は出なくなります。
 病気として悩まされていた、この筋肉の幅は何ミクロンの世界です。各細胞が一個一個ありますけど、細胞が何個か並んでいるぐらいの幅の細い筋肉の線維です。中にはもっと太い人もいます。目で見えるぐらいの人もいますが、非常に細い心臓の筋肉のものが原因で不整脈が起こっています。それを焼き切りましょうというのがアブレーションという意味です。中にはこうやってカルトシステムというものがあって、心臓の部屋に色をつけて不整脈の発生源を探すこともやったりしています。

心房細動アブレーションにはまだ手を出していません

 発作性上室性頻拍に対するカテーテルアブレーションはほとんど確立されたものですが、まだ皆さんは新聞等で心房細動に対するアブレーションに興味を持たれていると思います。実を言うと私が唯一やってないのがこの心房細動のアブレーションです。何でやってないのか。これは私の知り合いの非常に有名な福岡大学の熊谷先生ですが、心房細動のアブレーションはこういうふうにやるよということで、肺静脈のところを焼いていくんです。
 僕が手を出してない理由というのはこれです。昔はこの肺静脈は4本ありまして、一番最初はその中だけを焼いてたんです。それが一個一個焼いたほうがいいと。今度は2個まとめて焼いたほうがいいと。それよりも全部まとめて焼いたほうがいいんだと。実は術式がまだ確立されてないのです。確立されてない治療ですので、ずっと僕も手を出さずに見ていたのです。それよりもなによりも最近はマスコミのほうが心房細動のアブレーションを取り上げるようになってしまったのです。
 ここら辺では横須賀共済はものすごく心房細動アブレーションをやっていますが、100%治る治療ではないんです。成功率を見ていただくと、昔は50%強で、今は90%と書いていますが、ほんとの意味で1回で90%という数字ではありません。もっと低いです。2回、3回やってやっとこれぐらいの数字になると言われていますし、もっと低いんだよという先生もいます。治療をやって100%治療できないものはどうかなと、ずっと僕は疑問に思っていたものですから、そういった治療は手を出してないということだけご了承ください。ただ、心房細動に対するカテーテルアブレーションの有効性は確実に年々高まってきているなと感じています。

心室細動の治療  植え込み型除細動器

 皆さまに直結する一番重要なところをお話しします。例えば52歳の男性で心筋梗塞を起こしています。心筋梗塞によって心臓の機能が非常に落ちています。ポンプとしての心臓の機能が落ちている。平成13年に動悸があって、近くの病院に行ったらこういった心電図が出ました。これが先ほどからお話ししています心臓の下の部屋の頻脈ということで心室頻拍といわれるものです。このときには本人はまだケロッとしているんです。胸がどきどきするなということで病院にかかって救急車でうちに運ばれてきました。救急外来で僕は診てたんですが、目の前でこれが崩れて心室細動になった。このときは意識はありますが、この後に意識がなくなって電気ショックを目の前でかけて救命したんです。5分後に心室細動と書いています。
 この方のレントゲンを見ても心臓が大きいのです。心臓のエコーで見ると、これは左心室の空間ですが全く心臓の壁が動いてない。非常に動きが悪いです。EFで17%と非常に悪い。血流も非常に悪い。ただ、血行再建するところは全部血行再建されてるような人で、結局これ以上はいわゆるバイパスとか風船治療をするところもない。心臓の動きが悪い。でも不整脈が出てしまうという人ですから、また同じようなことになったらいけないということで、植え込み型の除細動器を入れました。心臓の動きが悪い人というのは、いつこういった心室細動になるかわからないのです。ですからバイパスの手術は成功しました、弁膜症の手術は成功しました、でも心臓の動きが悪いと時々動悸のあるという方は非常にリスクが高いのです。
 この方は植え込み型除細動器を入れて退院となりました。後日談でこれから4年間は作動はなかったんです。この方は50何歳で近所のソフトボールをやっていました。コーチャーズボックスに立っていたそうです。ある日、いきなり初めて作動したのです。コーチャーズボックスで崩れ落ちて除細動器がどんと作動して命が戻った。本人は何が起こったかわからずに周りは慌てふためきます。ただ、周りもこの人にこんなものが入っていると知りませんので、そのまま試合続行ということになったんです。その後すぐ病院に来られて、中でどういったことが起こったという記録が全部残っているものですから見てみると、心室細動が起こって除細動かけて助かったのです。ですからこの方はこれを入れてなかったらとっくに命はないわけです。

心臓の機能が落ちている人はいつ事故が起きてもおかしくない

 心臓の機能が落ちている人というのは交通事故をいつ起こしてもおかしくないような状態だよということをわかってください。例えば車を修理しました、皆さんの心臓のポンプを修理しました。いくら機械的なものを修理しても、電気的なものとして事故が起こる可能性はやっぱりある。そういったときにこういった植え込み型除細動器は非常に有効な手段であるということです。ペースメーカーよりもちょっと大きくなります。随分小さくはなりましたが、これは昔のものです。
 除細動器を入れていると心室頻拍は起こっても、これは刺激を入れてペーシングで止めてくれるんです。これよりも早い刺激を入れてもとの調律に戻ってくれたりとか、除細動器を入れることで、これはそうです。今みたいな刺激を入れても止まらない場合があります。止まらない場合は最後に心房細動が崩れちゃって、ここで除細動がどーんと電気ショックがかかって、もとの調律に戻ることがこの後にできています。こういったような治療方法もできます。
 これは2000年にアメリカのクリーブランド・クリニックに研修に行ったときのものです。こういったことを、僕らもやってきました。2000年ごろですから、もう10年近く手術はやっていますが、こういった治療も今度は大和成和病院でもできるようになりました。

心不全の電気的治療  両心室ペースメーカー

 あと最後に両心室ペースメーカーという治療があります。心不全に対しての電気的治療です。息が苦しくなる重症の心不全は、ほんとに寝ていることもできないぐらい息が苦しくなるという病気です。そういった人にペースメーカーみたいなもので、さっきは心臓の右の部屋だけだったんですけど、心臓の左の部屋にも電極を入れる。心臓を右側と左側から挟み込んで刺激してやるんです。心臓を挟み込むような形で刺激をすることで、心臓のポンプそのものの動きをよくしてやろうという機械があります。これが両心室ペースメーカーです。これもまた来月からできますので、こういったところです。
 ですから一言で不整脈といっても非常に幅が広いです。中にはちょっと診てお薬で治せるような、もしくはコーヒーとか生活の改善だけで治るような不整脈もあります。一番怖いのは、せっかく治した心臓が電気的アクシデントが起こってしまう可能性はあるので、とにかくリスクの高いような人には先ほどお見せした植え込み型除細動器というのも、保険に入るよりも確実なものとして私たちは提供できるものじゃないかなと思います。不整脈治療といっても多種多様で、ほんとに複雑になっていっています。ですから循環器の中でも、循環器とひとくくりにするんじゃなくて、私が今回、不整脈科ということで話したのは、より専門性のあるものを届けたいということでやっています。今後ますます複雑になる治療方法の最新のものを皆さまに提供していけるように努力していきたいと思っています。
 最後になります。危険な不整脈というのは、意識がなくなったり、息苦しくなったり、胸が苦しくなったりすることになるので、ちょっとでも何かおかしいと思ったらすぐに病院に来ていただければと思っています。どうも長い間、ご清聴をありがとうございました。(拍手)